リモート研修中にクビにされた新入社員がネットで炎上しました。
https://president.jp/articles/-/35434
彼は会社から「マナーが悪い」と言われたそうです。ビデオで顎が見えなかったり、カーディガンを着ていたことなどが原因だそうです。
本人はそのような覚えがないと言っておりましたし、それだけ聞いても「なんでそんな責めるの?」って思うかもしれません。
ですが、宿題の提出が遅れるなど本人自身にも問題があるのかもしれません。それで解雇されたと。
そして、その人は新たにクラウドファンディングを行いましたが炎上。その内容をご覧いただくとともに、クラウドファンディングで炎上する例も紹介しつつなぜ炎上してしまうのか?を考察していきます。
クラウドファンディングとは?
まず初めに、クラウドファンディングってなに?という人に向けて、そもそもクラウドファンディングとは何かを説明していきます。
クラウドファンディング(クラファン)とは、ある事業をするのにお金がない人がインターネットを通じてお金を募り、集まったお金で事業をしよう!という、自分に対しての募金活動です。
お金が無事集まり、事業をすることができたら募金した人に対してリターンなどの還元をすることが多いです。
クラウドファンディングの本質は、「お金を稼げない人が、募金者が満足する事業を起こし、周り全体を幸福にすること」です。
そこで、クラウドファンディングでお金を集めるには、事業内容、その理由が理路整然としているか(募金したくなるような有益な事業か)、SNSなどの発信力が必要です。
前者が欠けている場合は「お金を寄付したのにしょうもない使い方をするな」と炎上され、後者が欠けている場合はお金が集まらないという事態になり、クラウドファンディングは失敗します。
今回紹介するのは前者が欠けていて、クラウドファンディングで炎上してしまった事例についていくつか紹介します。
クラウドファンディングの内容
エンジニアを目指すためのテックキャンプというスクールに通おうかと思っています。ただ、初任給もまだ入っていないのでお金がない。そこでクラウドファンディングで学費を集めようと思っています」
https://president.jp/articles/-/35434?page=4
吉田くんによると、スクールの学費は70万円。これに加え、最新のMacBook Air14万8000円と、クラウドファンディングの手数料を含む約100万円を募集する予定だ。
「学費を支援していただいた方には、僕がアフリカ旅行に行ったときにもらった各国の小銭のお釣りや、旅の写真、あとは僕とお茶する権利を与えようと思っています。1万円以上の高額の支援を頂いた方には、僕が卒業したあとに制作したホームページに名前を載せるなど、僕を10時間自由に使ってもらう権利をプレゼントしようと思います」
彼は大学を卒業したばかりの新卒でした。
それでお金も特になく、会社もクビにされたのであとがない状況です。
そこで彼は、クラウドファンディングでお金を募ることに。しかし、その内容が炎上することになりました。
「クラファンを学費に使うな」
「MacBookじゃなくてもいいでしょ」
「あなたとお茶するメリットが全くない」などとネットで大荒れすることに。
クラファンでお金が集まることは難しい、という状況です。
確かにクラウドファンディングというのはお金がない人にとってみれば無料で事業ができるので素晴らしいものに見えるかもしれません。
しかし、あまり有益ではないことにクラウドファンディングを募集して炎上していることなんてかなりあります。
他の事例も見ていきましょう。
冒頭でも触れた「スラム街の暮らしを肌で感じたい!」プロジェクト。資金支援を呼びかけた男子学生は『CAMPFIRE』内で「スラム街がどんなところか見たい!」「単調な日々を過ごすスラム街の子供たちに夢を与えたい」と発言。 これに対しネット上では「生きることで精一杯の子供たちに、旅行気分の日本人が夢を語るのはおかしい」「危険すぎる」「自己実現のために子供を使うな」と彼らの無知さと軽率さに非難が殺到。 資金を支援してくれた人には、リターンとして「旅で撮った綺麗な景色やお気に入りの写真をポストカードにしてお届け」とスラム街に行くとは到底思えない内容の発言もとび出し「旅行するならバイトして自分のお金で行け」と炎上。この企画は中止となりました。
https://joshi-spa.jp/863942
2018年には近畿大学の学生がスラム街に行きたい、現地の生活を見たいという3人がクラウドファンディングを募り炎上。
これが炎上したきっかけはスラム街=貧困層と勝手に決めつけたり上から目線で夢を与えると言った発言をしたことです。
事業内容も深いものではなく、ただの旅行だと言われお金は集まらないどころか炎上し、大学から呼び出され、中止となったそうです。
(この学生はその後、クラウドファンディングをしたことに後悔されており、noteなどに詳細を書いております。現在は建築を勉強されており、起業をしたいとおっしゃっていました。とても熱心な方だという印象を受けました。)
https://note.com/227625/m/m19b5a7e613f9
また、2015年には京都橘大学の学生が世界一周したいということで募集したクラウドファンディングも、使う金額の内訳として15万円分のカメラ代(15万円だとかなりいいカメラを買えます)、生活費、航空代。
自分勝手すぎる資金の調達に批判が殺到し、結果は中止です。
このようなクラウドファンディングの炎上ですが、このような学生のクラウドファンディングが失敗しやすい理由を紹介していきます。
クラウドファンディングが炎上する理由

上記3つの例は、クラウドファンディングで失敗し、炎上しました。
この3つは、悪いところで共通点が見つかりました…。この共通点、炎上してしまった原因を説明します。
上から目線
みんな上から目線なところがあります。
「僕がアフリカ旅行に行ったときにもらった各国の小銭のお釣りや、旅の写真、あとは僕とお茶する権利を与えようと思っています。」
「僕を10時間自由に使ってもらう権利をプレゼントしようと思います」
どこか上からに聞こえません?
募金してくれた方に感謝を示すというかは、「これでいいでしょ」的な感じが見受けられました。
スラム街に行くと言っている人も、俺がスラム街を直してやる的な感じにしか聞こえません。そもそも何もない一般人に何ができるかって感じですよね。
また、世界一周をするという子も過去に「将来に悩んでいます。旅が楽しすぎて一生旅をしていたい」「一生遊んで暮らしたいと日々切実に願う」と言っていたようです。
完全に募金した人を馬鹿にしたようにしか思えません。正直自分だけがハッピーになって、周りの人がハッピーになるものではないと思います。
内容が薄い
クラウドファンディングで最も重要な事は、その内容です。内容が素晴らしければ、反対意見など出ないはず。
なので、最も根本的な部分は、内容がいけないという事です。
例えば、コロナの時期に医療設備が十分整っていない病院で、近くに大きな病院もなく、どこに行っても診療できない人が多いのでお金を募集する。お金が集まったら医療設備を整え、診療できるように確保する。
という内容で募集したらどうでしょうか。
集まるかどうかは別として、それなりに信用されるはずです。
ですが、大学生のクラウドファンディングでは内容がよくありません。
「学費を払う」「スラム街に行く」「世界一周」
どれも行動自体は素晴らしいです。でも、自分でお金を稼ぐことでできると思います。厳しい言い方になるかもしれませんが、普通の学生ならある程度アルバイトで貯められるはずです。もし貯められないのであればやるべきではない。それだけです。
人のお金で活動しているというのを肝に銘じておくと、下手な内容になることはありません。
もしその人や親が大学に行くほどのお金がなく、それでも子どもが海外で働きたい!というならある程度信頼はつくはずです。どうしてもお金を貯めることができないし、将来の夢もいい夢だと思ったらお金は入ってきます。
この人たちは物事を自分視点でしか見ていない(やりたいと思ったらやる!)ので、残念ですが募金した人にちゃんと感謝をすることはできないと思います。
自己中心的
彼らはなぜクラウドファンディングをしているのでしょうか。目的は一見良さそうに聞こえますが、一番は自分自身のため、将来のため、就職活動のためだと思います。
スクールの学費だって、自分でやりたいからってだけじゃないですか。
旅して困っている人を助けるとか言っても、結局自分で旅をしたいだけ。募金した人へのお返しがなんか残念です…。
そのつもりが裏にはあって、表では純粋に貢献したい!って言っているように見えますが、本心がバレちゃっていますよ。
というか、わざわざクラウドファンディングでお金を募るようなことでもないと思います。普通にアルバイトをしてお金を貰えばそれで稼げない金額ではないと思います。
クラウドファンディングをするならもっと素晴らしい内容で!
今回は、クラウドファンディングをして炎上してしまった事例を紹介してきました。
炎上してしまったのは、
- 上から目線
- 内容がよくない
- 自己中心的
という原因があったからだと考えています。
くれぐれも、クラウドファンディングをする意味、本当に社会がよくなるのか、それで募金した人が喜ぶのか?そもそも募集するべきか?自分で稼いで事業をするべきか?
これらのことは最低限考えた上でクラウドファンディングをしたいものです。
クラウドファンディングは他人からお金をいただいて事業をしているわけです。募金した人に誠心誠意感謝の心を持って、実行していただきたいと思います。
改めて言いますが、クラウドファンディングの本質は「お金を稼げない人が、募金者が満足する事業を起こし、周り全体を幸福にすること」です。これらの本質を満たして初めて応援されるし、募金もできると思うので、どうかそこを欠けないよう、注意したいですね!